首の症状

首が痛い・腕のしびれ

頚椎症

症状

首や、肩甲骨付近の痛み、肩こりなどの症状を生じます。首を動かすことで症状が悪化することが多いです。

原因

首に負担のかかる仕事や、首や背中が緊張するような姿勢、猫背など不良姿勢、加齢に伴う椎間板の変性などが原因となります。

診断方法

問診や触診、神経学的診察、首・肩関節可動域をチェックします。他の頚椎疾患の除外診断をします。X線(レントゲン)撮影のほか、必要によりMRIなどを行います。

治療法

薬物療法(内服や外用剤)、物理療法(電気治療、温熱療法、牽引療法)などを行います。それでも改善しない場合は、注射などを行います。

頚椎症性神経根症

症状

中年~高齢の人で首から肩・腕の痛みが生じます。腕や手指のしびれや力の入りにくさが出現することもあります。

原因

加齢により頚椎の椎間板の膨隆・骨のとげの形成などの変化によって、脊髄から腕の方に分かれていく「神経根」が圧迫されたり刺激されたりすることにより起こります。

診断方法

診察上、腕や手のしびれ・痛みがあり、X線(レントゲン)で頚椎症性変化を認めた場合、MRIで神経根の圧迫を確認し診断します。

治療法

頚椎への負担の軽減、薬物療法(消炎鎮痛薬、神経疼痛治療薬など)を行います。内服で効果乏しい場合や疼痛が強い場合にはブロック注射も併用します。筋力低下が著しい場合や、強い痛みで仕事や日常生活が障害されている場合は、手術的治療を行う場合もあります。

頚椎症性脊髄症

症状

両方の手足のしびれや、ボタンかけや書字、お箸の使用などがうまくできないといった症状がでます。また脚がもつれるような感じや歩行の不安定感が出現します。

原因

加齢により頚椎の椎間板の膨隆・骨のとげの形成などの変化によって、脊髄の通り道が狭くなり脊髄が圧迫されることが原因です。
後縦靱帯骨化症などの病気が隠れていることもあります。

診断方法

しびれや筋力低下、歩行状態などの診察を行い、X線(レントゲン)で頚椎症の程度、MRIで脊髄の圧迫を確認し診断します。

治療法

転倒など軽い頚部への外傷で脊髄損傷となることがあるので注意が必要です。日常生活に支障をきたすような手の障害、歩行障害がある場合には手術が必要となります。

頸椎椎間板ヘルニア

症状

主に片方の首や肩、腕に痛みやしびれが出現します。症状が進むと、箸が使いにくくなったり、ボタンがかけづらくなったりすることもあります。

原因

変性した椎間板が神経の通り道である脊柱管に飛び出すことによって起こります。30~50歳代に多く、しばしば誘因なく発症します。重いものを持ったり、悪い姿勢での仕事、スポーツなどが原因となることもあります。

診断方法

問診や触診、神経学的診察、首・肩関節可動域をチェックします。他の頚椎疾患の除外診断をします。X線(レントゲン)撮影で変形の有無を確認、MRIで神経の圧迫の有無を確認します。

治療法

頚椎への負担の軽減、薬物療法(消炎鎮痛薬、神経疼痛治療薬など)を行います。内服で効果乏しい場合や疼痛が強い場合にはブロック注射も併用します。筋力低下が著しい場合や、強い痛みで仕事や日常生活が障害されている場合は、手術的治療を行う場合もあります。

その他の部位の症状でお悩みの方

肩の症状

肩が痛い

石灰沈着性腱板炎

症状

特に誘因もなく、突然肩の強い痛みが出現します。肩をほとんど動かすことができず、夜も寝れないことが多いです。

原因

肩腱板内に沈着したリン酸カルシウム結晶によって急性の炎症が生じる事によって起こる肩の疼痛・運動制限です。

診断方法

痛みのため全く肩を動かせない場合、この疾患を疑い、X線(レントゲン)撮影によって腱板部分に石灰沈着があるかどうか、超音波検査で石灰部に急性炎症が生じているかを確認します。

治療法

ほとんどの場合、保存療法で軽快します。消炎鎮痛剤の内服、水溶性副腎皮質ホルモンと局所麻酔剤の注射などが有効です。

肩関節周囲炎(五十肩)

症状

肩関節を動かすときに痛みが出現し、整髪や、服の着替えが不都合となります。肩を動かせる範囲にも制限が出現します。また、夜に痛みで寝れなかったり、寝返りのときに痛みで目が覚めたりすることがあります。

原因

加齢に伴い肩関節を構成している骨・軟骨・靱帯・腱など関節周囲の組織に炎症が起こることによって生じると考えられています。

診断方法

診察で肩の動きや痛みの出方をみます。X線(レントゲン)検査や超音波検査、MRIで石灰や骨の変形、軟骨のすり減り、腱板損傷などが他の疾患がないか確認をします。

治療法

痛みが強い時期(急性期)は安静、消炎鎮痛薬の内服や注射で痛みの軽減を行います。またリハビリで可動域の改善・痛みの軽減を行います。治療は数ヶ月以上要することが多く、放置しておくと肩の動きが悪いまま(拘縮肩)となることもあるので注意が必要です。

腱板断裂

症状

40歳以上の男性、利き手側の肩に好発します。外傷を契機に痛みが出る場合もあります。肩の運動障害・運動痛・夜間痛などが出現しますが、五十肩に比べると関節の動きが固くなることは少ないです。他には、挙上するときに力が入らない、肩を上げるときに音がするという訴えもあります。

原因

肩を動かす働きをしている腱板は骨と骨(肩峰と上腕骨頭)にはさまれているため、変性に伴い傷つきやすくなっています。明らかな外傷によるものは半数で、残りははっきりとした原因がなく、日常生活動作の中で、断裂が起きます。肩の使いすぎが原因となってことが推測されます。

診断方法

診察では、肩が挙上できるかどうか、拘縮があるかどうか、肩の挙上時に軋轢音があるかどうか、筋肉の萎縮があるかなどを調べます。X線(レントゲン)所見では、肩峰と骨頭の間が狭くなっていることがあります。超音波検査やMRIで腱板の状態を確認します。

治療法

断裂部が治癒することはありませんが、70%は保存療法で軽快します。保存療法では注射療法(ステロイドやヒアルロン酸)、リハビリによる運動療法を主体に行います。保存療法で肩関節痛と運動障害が治らないときは、手術を考慮します。

その他の部位の症状でお悩みの方

肘の症状

肘が痛い

上腕骨内側上顆炎(ゴルフ肘)

症状

手首を曲げる動作やものを持って肘を曲げる動作で肘の内側に痛みが出現します。

原因

手首を曲げる働きをする筋肉(手根屈筋)は「内側上顆」と呼ばれる肘の内側の骨の部分に付着しています。この部位に慢性的に力が加わり続けることで炎症を起こします。使いすぎが原因の一つと言われています。

診断方法

痛みの部位や出現の仕方で診断します。変形性関節症など別の疾患がないかX線(レントゲン)検査などで確認します。

治療法

スポーツや仕事で手をよく使う作業をひかえて、湿布や外用薬を使用します。疼痛が強い場合や痛みが長期に続いている場合などは局所麻酔薬とステロイドの注射をします。リハビリの併用も効果的です。

上腕骨外側上顆炎(テニス肘)

症状

ものをつかんで持ち上げる動作や雑巾をしぼる動作をすると、肘の外側から前腕にかけて痛みが出現します。

原因

手首を起こす働きをする筋肉(短橈側手根伸筋)は「外側上顆」と呼ばれる肘の外側の骨の部分に付着しています。この部位に慢性的に力が加わり続けることで炎症を起こします。使いすぎが原因の一つと言われています。

診断方法

外来で簡単に行える疼痛を誘発する試験で診断します。変形性関節症など別の疾患がないかX線(レントゲン)検査などで確認します。

治療法

スポーツや仕事で手をよく使う作業をひかえて、湿布や外用薬を使用します。疼痛が強い場合や痛みが長期に続いている場合などは局所麻酔薬とステロイドの注射をします。リハビリの併用も効果的です。

その他の部位の症状でお悩みの方

手首・手・指の症状

手首が痛い

手・指が痛い

手がしびれる

頚椎症性神経根症

症状

中年~高齢の人で首から肩・腕の痛みが生じます。腕や手指のしびれや力の入りにくさが出現することもあります。

原因

加齢により頚椎の椎間板の膨隆・骨のとげの形成などの変化によって、脊髄から腕の方に分かれていく「神経根」が圧迫されたり刺激されたりすることにより起こります。

診断方法

診察上、腕や手のしびれ・痛みがあり、X線(レントゲン)で頚椎症性変化を認めた場合、MRIで神経根の圧迫を確認し診断します。

治療法

頚椎への負担の軽減、薬物療法(消炎鎮痛薬、神経疼痛治療薬など)を行います。内服で効果乏しい場合や疼痛が強い場合にはブロック注射も併用します。筋力低下が著しい場合や、強い痛みで仕事や日常生活が障害されている場合は、手術的治療を行う場合もあります。

肘部管症候群

症状

小指・薬指にしびれが出ます。麻痺が出現すると、手の筋肉のやせや小指・薬指の伸ばしにくさが出現します。

原因

肘の内側で尺骨神経が何らかの原因で圧迫や牽引されることにより発症します。
原因として子供の頃の骨折、加齢に伴う肘の変形、使いすぎ、靭帯による圧迫などがあります。

診断方法

肘の内側を叩くと、電気が走るような痛みやしびれが出現します。肘の変形がないかX線(レントゲン)検査を行います。また、腫瘤などがないか超音波検査、MRIなどを追加することがあります。

治療法

ビタミンB12などの飲み薬、運動や仕事の軽減など局所の安静などの保存的療法が行われます。
症状が強いものや麻痺が出現している場合には手術を考慮します。

手根管症候群

症状

親指・人差し指・中指・薬指にしびれが出ます。特にしびれは明け方に強く出現します。
手を振ったり、指を曲げ伸ばしするとしびれ、痛みは楽になります。手のこわばり感もあります。ひどくなると母指の付け根(母指球)がやせて母指と示指できれいな丸(OKサイン)ができなくなります。

原因

特発性というものが多く、原因不明とされています。
女性ホルモンの影響で出現することがあり、妊娠・出産期や更年期の女性に多くみられます。
そのほか、仕事やスポーツでの手の使いすぎ、手首の骨折や透析をしている人などにも生じます。

診断方法

手首(手関節)を打腱器などでたたくとしびれ、痛みが指先に響きます。
痛みやしびれの範囲や出方、筋萎縮などをみて判断します。

治療法

ビタミンB12などの飲み薬、運動や仕事の軽減など局所の安静、手根管内腱鞘内注射などの保存的療法が行われます。
症状が強いものや筋萎縮が出現している場合には手術を考慮します。

母指CM関節症

症状

物をつまんだり、瓶のふたを開けたり親指に力を入れる動作で、手首の親指の付け根に痛みがでます。

原因

親指の付け根の骨(第1中手骨)と手首の小さい骨(大菱形骨)の間の関節(CM関節)はよく動く関節で、使いすぎや老化に伴って軟骨のすり減りが生じます。進行すると関節の変形をきたすようになります。

診断方法

X線(レントゲン)検査を行い、CM関節の隙間が狭くなったり、骨の変形があるか確認します。

治療法

保存療法として局所の安静や装具着用、湿布や塗り薬、痛み止めの内服などを行います。痛みの強いときには関節内注射を行います。

ブシャール結節

症状

指の第2関節に痛みや腫れ、変形を認めます。症状が進むと痛みのために手を強く握ることが困難となります。

原因

原因は不明ですが、指の第2関節に軟骨のすり減りが生じる変形性関節症です。40歳代以降の女性によくみられます。

診断方法

X線(レントゲン)検査を行い、第2関節の関節の隙間が狭くなったり、骨の変形があるか確認します。

治療法

保存療法として局所の安静や固定、湿布や塗り薬、痛み止めの内服などを行います。

へバーデン結節

症状

指の第1関節に痛みや腫れ、変形を認めます。症状が進むと痛みのために手を強く握ることが困難となります。

原因

原因は不明ですが、指の第1関節に軟骨のすり減りが生じる変形性関節症です。40歳代以降の女性によくみられます。

診断方法

X線(レントゲン)検査を行い、第1関節の関節の隙間が狭くなったり、骨の変形があるか確認します。

治療法

保存療法として局所の安静や固定、湿布や塗り薬、痛み止めの内服などを行います。

関節リウマチ

症状

両方の手や指、足などの関節に腫れと痛みが出現します。また、朝に手がこわばりやすくなります。症状が進んでいくと、各関節の変形が出現します。

原因

原因はまだよくわかっていませんが、自分の身体の一部を自分のものではないと認識し、これに対して反応を起こす自己免疫性疾患の一つです。

診断方法

関節の圧痛や腫れなどの診察所見のほか、X線(レントゲン)検査、血液検査、超音波検査などを用いて総合的に判断します。

治療法

リウマチに対する治療薬を基本として、初期は痛み止めやステロイドを併用して痛みを軽減させます。薬にはいろいろなものがあり、効果を見ながら治療を行います。

腱鞘炎・ばね指

症状

指の付け根に痛みが出ます。 進行すると指の曲げ伸ばしでカクンと引っかかりが生じるようになります。症状は特に朝に強く出やすくなります。

原因

腱と腱鞘の間に炎症が生じ(腱鞘炎)、腱鞘が肥厚したり、腱が肥大し、通過障害を起こす(ばね指)ために一層症状が悪化します。更年期の女性に多く、妊娠出産期の女性にも多く生じます。手の使いすぎやスポーツや指を良く使う仕事の人にも多いのも特徴です。

診断方法

痛みの部位や出現の仕方で診断します。

治療法

ビタミンB12などの飲み薬、運動や仕事の軽減など局所の安静などの保存的療法が行われます。症状が強いものや麻痺が出現している場合には手術を考慮します。

橈骨遠位端骨折

症状

転倒して手をついた後、手首の痛み腫れが生じます。見た目の変形が明らかな場合もあります。

原因

転倒や高所からの転落などで手をつくことによって骨折が生じます。骨粗鬆症で脆くなりやすい部位で、骨折しやすくなります。

診断方法

X線(レントゲン)検査で診断します。レントゲンではわからない骨折のこともあり、痛みや腫れが目立つ場合にはMRI検査を追加します。

治療法

骨折部のずれが少ない場合にはギプスなどを用いた固定で治療を行います。ずれが大きい場合には手術が必要となります。

狭窄性腱鞘炎(ドケルバン病)

症状

手首の親指側に痛みや腫れを認めます。特に親指を広げたり動かしたりすることで強い痛みが出現します。

原因

親指を動かす腱と腱の通る腱鞘の部分に炎症が起きていることが痛みの原因です。妊娠出産期の女性や更年期の女性に多く生じます。手の使いすぎやスポーツや指を良く使う仕事の人にも多いのが特徴です。

診断方法

安静、消炎鎮痛薬、腱鞘内ステロイド注射などの保存的療法を行います。改善しないときや再発を繰り返す場合は、腱鞘の鞘を開く手術(腱鞘切開)を行います。

治療法

スポーツや仕事で手をよく使う作業をひかえて、湿布や外用薬を使用します。疼痛が強い場合や痛みが長期に続いている場合などは局所麻酔薬とステロイドの注射をします。リハビリの併用も効果的です。

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腰の症状

腰・背中が痛い

脚がしびれる

腰椎分離症

症状

主にスポーツ活動を活発に行なっている10代前半に好発します。特にケガなどの誘因なく、運動時や腰を反らしたり捻ったりする動作で痛みが出ます。

原因

腰の骨の一部(椎弓)に力が持続的に集中して加わることにより疲労骨折が生じることにより発症します。運動負荷のかかりすぎや、柔軟性低下などが原因となります。

診断方法

診断はX線(レントゲン)検査、MRI検査を行います。初期の段階ではレントゲンでは異常を認めないため、腰痛が持続している場合にはMRI検査が有効です。MRIでは初期の疲労骨折の診断が可能です。

治療法

初期の段階では、コルセット固定による安静に加え、運動負荷を減らし腰にかかる負担を減らすことが重要です。再発予防のため、柔軟性低下などの原因がある場合はリハビリで再発予防も並行して行います。

腰痛症

症状

ひとえに腰痛といっても、急性に発症するものや慢性的な経過をたどるものもあり、原因も様々です。

原因

腰痛の原因は様々で、筋肉や筋膜からの痛み、骨由来の痛み、椎間板からの痛み、内臓からの痛みなどに大別されます。

診断方法

痛みの程度や性状を確認、X線(レントゲン)検査やMRI検査を行います。

治療法

急性に発症した腰痛は安静、消炎鎮痛剤の内服や注射などを中心に痛みの軽減を図ります。
慢性の経過をたどる腰痛には内服での治療のほか、リハビリを組み合わせながら改善を目指していきます。

腰椎椎間板ヘルニア

症状

腰の痛みと、おしりから脚にかけてしびれや痛みが出現します。場合によっては足首や足の指の力が入りにくくなることがあります。

原因

椎間板は背骨と背骨の間にあり、クッションの役目をしています。椎間板が加齢などにより変性し断裂し、一部が神経の通り道に飛び出て神経に触れると脚の痛みしびれ、筋力低下が起きます。
重い物をもったり悪い姿勢での作業や喫煙などでヘルニアが起こりやすくなると言われています。

診断方法

痛みやしびれの範囲、筋力低下の有無などを診察で確認し、X線(レントゲン)検査で変形などがないかを確認します。椎間板の飛び出しや神経の圧迫の有無についてはMRI検査で判断します。

治療法

痛みが強い時期は安静を心がけ、消炎鎮痛剤の内服、ブロック注射などを行い、痛みをやわらげます。痛みが軽くなれば、牽引を行ったり運動療法を行うこともあります。
内服やブロック注射で良くならない場合は椎間板内酵素注入療法(ヘルニコア)や手術をお勧めすることがあります。

脊椎圧迫骨折

症状

特に高齢者が尻もちなどの軽いけがや、日常生活動作で重い物を持った後などに腰痛が出現します。
特に寝たり起きたりの動作で痛みが増します。

原因

高齢者の場合は骨粗鬆症により背骨が脆くなっているところに、軽い外傷が加わることで容易に圧迫骨折が発症します。日常生活動作でいつの間にか骨折が生じていることもあります。
若い方でも、高いところからの転落など、高エネルギー外傷でじゅすることがあります。

診断方法

X線(レントゲン)検査を行います。レントゲン検査でわからない骨折や、骨折の新しさの診断のためにはMRI検査を追加します。
軽微な外傷で圧迫骨折となった場合には骨密度の測定も行います。

治療法

骨折の治療として、痛み止めなどの内服に加えて、コルセットを装着して骨折部を外から固定し骨が固まっていくのを待ちます。痛みが強く、日常生活に支障をきたしている場合には骨折した部分に補強剤(骨セメント)を充填して早期に痛みを軽減させる低侵襲手術が行われることもあります。
並行して骨粗鬆症の治療も行います。

腰部脊柱管狭窄症

症状

特徴的な症状は、歩行と休息を繰り返す間欠性跛行(かんけつせいはこう)です。
立っていたり歩いていたりすると、おしりから脚へのしびれや痛みが出現し、歩きづらくなります。一旦休憩すると再び歩けるようになります。

原因

加齢や腰へ負担のかかる動作の影響で変形した椎間板や、骨・靭帯の肥厚により腰の神経の通り道(脊柱管)が狭くなり(狭窄)、神経が圧迫を受け、神経の血流が低下して脊柱管狭窄症が発症します。
椎間板ヘルニアに比べ中高年に発症することが多いようです。

診断方法

単純X線(レントゲン)写真で変形の程度を観察します。より詳しく診断するためにはMRI検査が必要となります。

治療法

薬物療法、神経ブロックやリハビリなどで症状が改善することがあります。
これらの治療を行なっても歩行障害が進行し、日常生活に支障が出てくる場合には手術を考慮します。

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股関節の症状

脚の付け根が痛い

大腿骨近位部骨折

症状

転倒後に股関節や大腿部が痛くなり、ほとんどの場合、立つことや歩くことが困難となります。

原因

脚の付け根(大腿骨近位)は骨粗鬆症で骨がもろくなりやすい部位で、骨粗鬆症になりやすい高齢者の転倒で容易に骨折します。

診断方法

X線(レントゲン)検査で診断がつくことが多いですが、X線検査ではわからずMRI検査で骨折が明らかとなることもあります。診察で骨折が疑わしい場合にはこれらの検査で診断をつけます。

治療法

再度歩ける状態を取り戻すために、通常は手術を行います。
手術は骨折した部位や骨折部のずれの程度により、骨接合術もしくは人工骨頭置換術が行われます。
また、他の部位で再度骨折することを防ぐため、骨粗鬆症の治療も必要となります。

大腿骨頭壊死症

症状

立ち上がりや歩行、階段昇降で痛みが股関節・大腿部に痛みが生じます。変形性股関節症に比べて痛みは急に出現することが多いです。

原因

他の病気の治療のためステロイドを使用したことがある方(ステロイド性)、アルコールを多く飲まれる方(アルコール性)に発症することがあります。またこれらの背景がない方でも発症することがあります。

診断方法

まずはX線(レントゲン)検査を行いますが、発症早期には単純X線(レントゲン)で変化が出ないため、症状から大腿骨頭壊死症が疑われたらMRIにより診断を行います。

治療法

杖や局所の安静、痛み止めの内服などで痛みの鎮静化を図ります。これらで改善しない場合には手術を考慮します。
年齢や病気の進行具合により、骨切り術、人工股関節置換術の手術があります。

変形性股関節症

症状

最初は立ち上がりや歩き始めに脚の付け根や太ももに痛みが出ます。
進行すると、歩行や階段昇降で痛みが出るようになり、足の爪切りや靴下履きがやりにくいなどの症状が出現します。
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原因

小児期の先天性股関節脱臼や臼蓋形成不全がある場合、股関節の軟骨がすり減りやすく、比較的若い女性でも痛みが出てくることがあります。また最近は高齢社会となったため、特に明らかな原因が無くても年齢とともに変形性股関節症を発症してくることがあります。

診断方法

股関節の可動域制限や痛みの部位・性状を診察、X線検査を行い診断します。
必要に応じてMRIなどの追加検査を行います。

治療法

変形性股関節症の進行具合にもよりますが、まずは股関節の負担を減らしながら、筋力訓練や可動域訓練などのリハビリ、運動療法により関節機能の維持を行います。痛みが強い時にはしばらく痛み止めの内服も行います。
疼痛が強く日常生活に支障をきたしている場合には手術療法を考えます。初期では自分の軟骨を温存する骨切り術、関節の変形がすすんでいる場合は人工股関節手術の適応となります。

その他の部位の症状でお悩みの方

膝の症状

膝が痛い

膝靭帯損傷

症状

膝を捻ったりした後に膝の痛みと可動域制限、立ち上がりや歩行時の痛みが出現します。徐々に腫れが出てくることもあります。

原因

スポーツや交通事故、転落など膝に瞬間的に大きな力が加わることで受傷します。
力の加わり方によって、損傷を受ける靭帯は異なります。

診断方法

診察で痛みの部位や、膝の安定性を確認し、骨折の有無をX線(レントゲン)検査で確認します。靭帯損傷の画像診断ではMRIが有用です。半月板損傷など他のケガの合併の有無も同時に評価できます。

治療法

どの靭帯が損傷したかによって治療法は異なります。
靭帯損傷のなかで一番多い内側側副靭帯損傷は、手術をしない保存療法で軽快することがほとんどで、装具などで膝を固定し、徐々に可動域訓練などを行います。
前十字靭帯損傷の場合には、保存療法では膝の不安定性が続き、将来的に半月板損傷や軟骨損傷を起こす可能性が高いため、手術を行うことが多いです。

オスグッド・シュラッター病

症状

脛骨結節と呼ばれる膝の下の骨に痛みが出ます。時には、赤く腫れたり、熱を持ったりすることもあります。安静時は痛みは少なく、スポーツをしているときに痛みが現れやすい特徴があります。成長期のスポーツ障害の一つです。

原因

膝を伸ばす時に働く太ももの前の筋肉(大腿四頭筋)により脛骨結節が引っ張られ、成長軟骨部分が剥離することで痛みが出ます。
ジャンプやボールを蹴る動作のスポーツを行っている10代前半の成長期によく見られます。

診断方法

診断は痛みの部位や患部の腫れ・隆起などで可能ですが、X線(レントゲン)検査・超音波検査を行うことで確定します。

治療法

成長期の一過性の障害で、成長が終了すると、多くは治癒します。
痛みが強い時期はスポーツを控え、ストレッチなどのリハビリで痛みの軽減と柔軟性向上による再発予防を行います。

半月板損傷

症状

膝の曲げ伸ばしの際に痛みやひっかかり、膝がずれるような感じを生じます。ひどい場合には、膝に水がたまったり、急に膝が動かなくなる“ロッキング”という状態になり、歩けなくなるほど痛くなります。

原因

スポーツなどの怪我から生じる場合のほか、加齢により脆くなっている半月板が徐々に傷んでくる場合や日常生活で急に痛みを生じる場合などがあります。

診断方法

単純X線(レントゲン)写真では半月板は写りません。症状や診察で半月損傷を疑えばMRI検査を行います。

治療

抗炎症薬の内服や関節内注射などで症状が改善する場合がありますが、改善しない場合や半月板損傷の程度が強い場合には手術を行います。

変形性膝関節症

症状

初期では立ち上がり、歩きはじめなど動作の開始時に痛みが出現します。徐々に正座や階段の昇降が困難となったり、歩行時にずっと痛みが出たりするようになります。膝の曲げ伸ばしも制限され、外見上も変形(O脚が多い)がわかるようになります。
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原因

原因は関節軟骨の老化によることが多く、使いすぎや肥満なども関与しています。また骨折や半月板損傷などの後遺症として発症することもあります。

診断方法

診察では膝の動きの範囲や痛みの部位、腫れやO脚変形などの有無を調べ、X線(レントゲン)検査で診断します。必要によりMRIで精密検査をします。

治療法

症状に応じて痛み止めの内服薬や、膝関節内にヒアルロン酸の注射などをします。また大腿四頭筋強化訓練、関節可動域改善訓練などのリハビリを行います。予防として体重のコントロールや膝の負担軽減も重要となります。
このような治療でも治らず日常生活に支障をきたしている場合には手術治療も検討します。手術には骨切り術(骨を切って変形を矯正する)、人工膝関節置換術があります。

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太もも・ふくらはぎの症状

太ももやふくらはぎが痛い

肉離れ

症状

スポーツなどで脚に負荷が大きくかかったときに、筋肉の痛みが出ます。
ふくらはぎや太ももが好発部位です。

原因

筋肉に強い力が加わって、筋線維が引き伸ばされることで生じます。
スポーツをしている時に発症することが多く、急なダッシュ、ストップ、ジャンプなどで起こることが多いです。

診断方法

痛みの出方や圧痛を診察します。画像診断として超音波検査やMRI検査が行われます。

治療法

重症度に応じて安静、消炎鎮痛薬、湿布などによる治療を行います。柔軟性低下が背景となっていることが多く、再発予防にリハビリを行います。

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足首・足の症状

足首・足が痛い

痛風

症状

特にケガなどもなく、足の親指のつけ根が赤く腫れて痛みが出ます。足の親指のつけ根以外に、足関節、足の甲、アキレス腱のつけ根、膝関節、手関節にも激痛発作が起こることがあります。

原因

血液中の尿酸値が上昇(高尿酸血症)し、関節内に尿酸塩結晶が生じます。これを白血球が処理する際、痛風発作(急性関節炎)が発症します。
腎臓から尿酸を排出する機能が低下したり、暴飲・暴食、肥満、激しい運動などが高尿酸血症の原因になると考えられています。

診断方法

レントゲン、超音波検査で関節炎があるかどうかを確認します。
検診などで尿酸値が高いと指摘されてことがある方は痛風発作の可能性が高いです。

治療法

痛風発作時の治療には、消炎鎮痛薬を用います。痛みが強い場合には入ステロイド関節内注射も効果があります。
痛風発作が治まってから、尿酸値をコントロールする薬を長期間服用します。定期的に採血を行い、尿酸値が適正にコントロールされているかを確認します。
食生活の見直しや体重コントロールも重要です。

足底腱膜炎

症状

特に朝起きて、最初の1歩目に痛みを強く感じます。

原因

足底腱膜と呼ばれる足の裏に存在する腱膜が炎症を起こします。長時間の立ち仕事や歩行、体重増加、スポーツによる使いすぎなどが原因となります。

診断方法

足底腱膜の付け根(踵部分)に圧痛があることを確認します。他の病気との鑑別のためX線(レントゲン)検査や超音波検査などを行います。
X線検査では踵にトゲ状の出っ張りが確認されることがあります。

治療法

足底腱膜への負担を減らすとともに、消炎鎮痛剤の内服や湿布などを使用することがあります。
筋肉の柔軟性を高めたり、足部機能改善のためにリハビリを行います。体外衝撃波も効果的です。

足関節捻挫

症状

スポーツ時や段差の踏み外しなどで足首を捻ることにより、足関節の痛み・腫れが出現します。重度の場合、歩行が困難となります。

原因

足首を強く捻ることにより足関節を支持している靭帯が損傷します。
足関節を内側に捻って受傷することが多いです。

診断方法

まず、X線(レントゲン)写真で骨折の有無を確認します。
靭帯損傷の確認は超音波検査、MRI検査などで行います。

治療法

受傷直後は安静、挙上、アイシング処置を行います。
靭帯損傷の程度や痛みの程度に応じて、バンデージ、サポーター、ギプスなどで固定を行います。
また、機能回復、スポーツ復帰に向けて早期からリハビリを行います。

その他の部位の症状でお悩みの方

その他の症状

全身でみられる疾患

関節リウマチ

症状

両方の手や指、足などの関節に腫れと痛みが出現します。また、朝に手がこわばりやすくなります。
症状が進んでいくと、各関節の変形が出現します。

原因

原因はまだよくわかっていませんが、自分の身体の一部を自分のものではないと認識し、これに対して反応を起こす自己免疫性疾患の一つです。

診断方法

関節の圧痛や腫れなどの診察所見のほか、X線(レントゲン)検査、血液検査、超音波検査などを用いて総合的に判断します。

治療法

リウマチに対する治療薬を基本として、初期は痛み止めやステロイドを併用して痛みを軽減させます。薬にはいろいろなものがあり、効果を見ながら治療を行います。

骨粗鬆症

症状

骨粗鬆症自体は通常症状がありません。しかし、転倒などの軽微な外傷で骨折しやすくなります。骨折が生じやすい部位は、せぼね(脊椎圧迫骨折)、手首の骨(橈骨遠位端骨折)、太ももの付け根の骨(大腿骨近位部骨折)などです。
無症状の場合でも背中が丸くなったり、身長が縮んだりしている場合には骨粗鬆症が隠れていることがあります。
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原因

身体の中で骨は新しい骨を作る骨形成と、古くなった骨を溶かす骨吸収を繰り返しています(骨のリモデリング)。骨粗鬆症は、このバランスが崩れることでおこり、骨がスカスカになってきます。骨粗鬆症は女性、特に閉経後の女性に多く、女性ホルモンの減少や老化と関わりが深いと考えられています。

診断方法

骨密度測定器(DEXA)により骨粗鬆症の程度を判定します。
背骨や脚の付け根の骨折をしたことがある場合は、骨密度の結果に関わらず骨粗鬆症治療の対象となります。

治療法

骨粗鬆症と判明した場合には薬による治療を開始します。どのような薬がよいか、骨形成マーカーや骨吸収マーカーなどを血液検査で測定し、決定していきます。効果判定も定期的に行います。
薬の他には骨に刺激となる適度な運動や食生活も重要となります。

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