「手術しかないと言われたけど、本当に手術しかないの?」「手術は怖いし、できれば避けたい」——膝の痛みでこのようなお悩みをお持ちの方は多くいらっしゃいます。この記事では、膝の痛みにどのような治療の選択肢があるのか、手術が必要になるのはどんなケースなのかを専門医が解説します。
「手術しかない」は本当?
結論からお伝えすると、膝の痛みのほとんどは、まず手術以外の治療(保存療法)から始めます。手術が必要になるのは、保存療法を十分に行っても改善が見られず、日常生活に大きな支障が出ている場合です。
「手術しかない」と言われた方の中には、まだ保存療法の余地が残っているケースも少なくありません。セカンドオピニオンとして当院を受診される方も多くいらっしゃいます。
進行が著しい場合や、神経・血管への影響がある場合は早めの手術が必要なこともあります。「手術しかない」と言われた場合でも、まずは専門医に現在の状態を詳しく診てもらうことが大切です。
手術なしで試せる治療法(保存療法)
変形性膝関節症の治療は、まず以下の保存療法から始めます。
① 運動療法・リハビリテーション
最も重要な治療のひとつです。太もも(大腿四頭筋)の筋力を強化することで膝への負担を減らし、痛みを軽減します。理学療法士による個別プログラムで、正しいフォームで効果的に行うことが大切です。「運動すると痛みが悪化しそう」と思われがちですが、適切な運動は膝の安定性を高め、症状改善に大きく役立ちます。
② 薬物療法
消炎鎮痛薬(内服・外用)で痛みや炎症を抑えます。痛みが強い急性期には、膝に水がたまっている場合の穿刺(水を抜く処置)も行います。
③ ヒアルロン酸注射
関節内にヒアルロン酸を注射することで、関節の潤滑を改善し痛みを和らげます。効果には個人差がありますが、多くの方で症状の改善が見られます。定期的に続けることで効果が持続しやすくなります。
④ 装具療法
足底板(インソール)やサポーターで膝への荷重バランスを調整します。特にO脚が強い方では、内側への負担を分散させることで痛みが改善することがあります。
保存療法で効果が出なかった方への新しい選択肢
「薬や注射を続けてきたが、あまり改善しない」という方に、手術の前に試していただける治療法があります。
PRP療法(多血小板血漿療法)
自分の血液から取り出した成長因子(PRP)を膝に注射し、組織の修復を促す再生医療です。軟骨の炎症を抑え、痛みを改善する効果が報告されています。「手術はしたくない」という方に新しい選択肢として注目されています。
ラジオ波治療(末梢神経ラジオ波焼灼療法)
膝の痛みを伝える末梢神経に高周波(ラジオ波)を照射し、痛みを中長期的に緩和する治療です。保険適用で受けられ、日帰りで行えます。ヒアルロン酸注射で効果が不十分だった方にも有効な場合があります。
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手術が必要になるのはどんなケース?
保存療法や新しい治療を十分に行っても改善が見られない場合、手術を検討します。
- 長時間の歩行が困難になった
- 安静時にも痛みが続く
- 膝の変形が著しく進んでいる(KLグレード3〜4)
- 日常生活(買い物・家事・通勤など)に大きな支障が出ている
- 保存療法を半年〜1年続けても改善が見られない
主な手術の種類
- 高位脛骨骨切り術(HTO):脛骨(すねの骨)を切って膝の向きを矯正し、荷重バランスを改善する手術。比較的若い方(60代前後)や活動性の高い方に適しています。自分の関節を温存できます。
- 人工膝関節置換術(TKA):すり減った関節面を人工関節に置き換える手術。変形が進んだ方に有効で、痛みの改善効果が高い治療法です。
- 単顆型人工膝関節置換術(UKA):膝の内側または外側の片方だけを人工関節に置き換える手術。TKAより侵襲が小さく、回復が早い場合があります。
当院では、保存療法から手術まで同じ医師が一貫して担当します。途中で別の医師に変わることなく、患者さんの経過をずっと把握したうえで治療方針を決めていきます。
まとめ:まずは「今の状態」を正確に知ることが大切
膝の痛みの治療は、現在の状態(軟骨のすり減り具合・炎症の程度・生活への支障)によって大きく異なります。「手術しかない」と言われた方も、精密な検査で状態を改めて確認することで、保存療法や新しい治療の余地が見つかるケースがあります。
「手術は怖い」「できれば手術は避けたい」という方も、「手術した方が早く楽になれるのでは」と前向きに考えている方も、まずは一度ご相談ください。患者さんの状態と生活スタイルに合わせて、丁寧にご説明・ご提案します。
まえだ整形外科 骨・関節クリニックでは、オープン型MRI・エコーによる精密診断で現在の状態を詳しく評価します。保存療法からPRP療法・ラジオ波治療・手術まで、同じ医師が一貫して対応します。セカンドオピニオンも歓迎です。
※この記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の診断・治療を推奨するものではありません。症状については医師にご相談ください。
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